先日、会社にて前から切望していた中村主水のフィギュアをもらいました。
(どういうシチュエーションか、などは気にしないように)
というわけで、今回はこれを機に「必殺仕事人」のことをちょっと考えてみようと思います。

さて、改めて「必殺シリーズ」に目を向けてみると、実はこちらの作品は
シリーズものなのです。ですので比較的ポピュラーな「仕事人」だけでなく
「必殺仕掛人」から始まり「必殺仕業人」「必殺からくり人」など
なかには「必殺まっしぐら!」 という某CMのパクリですか?というものまで
なんと30作品以上が今までに放送されているとか。そう、サザエ並みの長寿番組なんです。

そして忘れてはいけないのが彼らが「必殺」なことです。
読んで字のごとく「必ず殺す」 のです。
怖い、怖すぎます。もう気軽に「主水ー」とか「政ー」とか
よべたもんじゃありません。ホントに。

彼らの怖さには作品の端々に表れていますが
今回調査していてもっとも気になったのはオープニングのしゃべり。
私の中ではあのしゃべりはどの作品もみんな同じだと
思っていたら違うらしく…。際立って優秀なものを今回はご紹介します。



【私の考える最もポピュラーなオープニング】  


お医者様でも草津の湯でも
恋の病は治らねえ
恋の闇よりなお暗い
恨みの夜の稲妻に
姿が浮かぶ仕事人
顔は見ねえでおくんなせえ
心の闇を晴らして見せやす




 聞いたことがある方も多いかもしれません。「新必殺仕事人」のオープニングがこれです。ちなみに冒頭で話した主水のフィギュアのパッケージにもこれが入ってました。
 


【とっても礼儀正しいオープニング】  


一筆啓上 火の用心
こんち日柄も 良いようで
あなたのお命 貰います
人のお命 頂くからは
いずれ私も 地獄道
右(め)手に刃を 握っていても
にわか仕込みの 南無阿弥陀仏
まずはこれまで あらあらかしこ



 「必殺仕置屋稼業」のオープニングです。さわりでは礼儀正しさ・火の用心まで注意する優しさを見せて、敵を油断させる…といった
作戦ですね。

日柄がいいからってお命をもらうのは
どうかと思います。裏切り者!と
殺される側は思わず叫んでしまいそう。


【韻を大切にしたオープニング】  


(山田) 雨が降ったら傘をさす
(芦屋) 辛い話は胸をさす
(ジュディ) 娘十八 紅をさす
(森田) 魔がさす 掉さす 将棋さす
(緒形) 世間の人は指をさす
(山田) 許せぬ悪に
(緒形) とどめ刺す



 一転こちらは「必殺からくり人」のオープニング。「さす」をテーマにした見事なかけあいです。特に「魔がさす掉さす将棋さす」は一度口に出していってみましたが癖になりそうなフレーズです。

あ、ちなみに(かっこ)の名前は当時の
役者さんのお名前だそうで。
(緒方)は緒方拳さんです。出てたんですね。
そして「からくり人」が気になります。
武器はやっぱりからくり人形だったん
でしょうか。
「近づく弓曳童子の黒い影!」
「振り向くと茶坊主の罠!」…とかね。
知ってる方教えてください。


【地獄のようなオープニング】  


二つのまなこを閉じてはならぬ
この世のものとも思われぬ
この世の出来事見るがいい
神の怒りか仏の慈悲か
恨みが呼んだか摩訶不思議
泣き顔見捨てておかりょうか
一太刀浴びせて一供養
二太刀浴びせて二供養
合点承知の必殺供養



 「翔べ!必殺うらごろし」のオープニングです。っていうかこのタイトル自体がかなり恐ろしいです。
何なんでしょう、うらごろしとは。
果てしなく残忍な必殺技みたいです。
内容としては宗教っぽい匂いがしますね。
ああ…悪いことってしちゃいけないなぁって
思います。
「一太刀浴びせて一供養
二太刀浴びせて二供養
合点承知の必殺供養」がこれでもか
という恐怖を与えます。とどめ差しすぎ!
…… 恐ろしい作品です。

【かけてオープニング】  

一掛け二掛け三掛けて
仕掛けて殺して日が暮れて
橋の欄干 腰おろし
遥か向こうを眺むれば
この世はつらいことばかり
片手に線香 華を持ち
おっさんおっさん どこ行くの
私は必殺仕事人
中村主水と申します
「それで今日は、どこのどいつを
殺ってくれとおっしゃるんで」


 いよいよ登場。「必殺仕事人」の
オープニングです。この辺から
完全に主水のキャラが定着
(というかレギュラー)になった気がしますね。

さて、前半は「必殺仕置屋稼業」と同じように
韻を踏むいつものパターン。そして後半では
「おっさんおっさんどこいくの」と何だか
笠置シズ子の「買い物ブギ」を連想させる
掛け声を入れています。

そしてしめは主水の一言!

「それで今日は、どこのどいつを
殺ってくれとおっしゃるんで」

こーわーいーーーー!


【短気なオープニング】  

世の中は行くな戻るな居座るな
寝るな起きるな立つな座るな
生麦生米生卵
どじょうニョロニョロ三ニョロニョロ
合わせてニョロニョロ
六ニョロニョロ
しっぽ押さえりゃ頭が逃げる
頭押さえりゃしっぽが跳ねる
とかくこの世は悪党揃い
悪人ヒョコヒョコ三ヒョコヒョコ
四ヒョコ五ヒョコ六ヒョコ七ヒョコ
八ヒョコ九ヒョコ十ヒョコ…

ええい面倒くせえ 殺っちまえ!


そしてラスト!ワタクシが
ご紹介したいのは
「新必殺仕事人」のオープニング
です。これは…初めて聴いたときに
衝撃をうけましたね。いやいや。

早口言葉の連続…実に
ナレーター泣かせな逸品です。
個人的に気に入ってるのは
「悪人ヒョコヒョコ三ヒョコヒョコ」の
数え方です。無理やり数えるな!
って感じがかなりキテます。

で…最後は…

ええい面倒くせえ 殺っちまえ!

…これできまりです。
そうだよね。実際よんでみても
「四ヒョコ五ヒョコ六ヒョコ七ヒョコ」の
あたり言いにくすぎて
そりゃキレそうにもなりますよ。
今、私も言いたい気持ちでいっぱいです。
ええい面倒くせえ 殺っちまえ!

というわけでお送りしてまいりました「必殺仕事人」を考える。
いかがでしたでしょうか?今まで気軽に接してきた
仕事人たちに一目おいたような気分になれたのではないでしょうか?

私もいささかマニアックな特集組めてとっても満足ですv
「全然わかんねえよ!」ってあなた、ごめんなさい。
これを機に必殺のことに目を向けていただければ幸いです。
いや、ホント矛盾点がいっぱいでおもしろいんですよ?必殺仕事人。
って何熱くなってんだワタシは!

……以上、ヲタク系特集 「必殺仕事人を考える」でしたー!


※なお今回の素材はATNETさんよりお借りしました。
  江戸素材豊富!人物がいい味出してましたよ〜。