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* 年明けの自覚症状 *
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参拝客で賑わう神社の隣。
誰もいない、雑木林の中。

「あと3分くらいで年が明けるよ」
「マジで?よし。じゃあ、あれやるか!」
俺の隣で、なにやら意気込んでいる様子の優也。
繋がれた手の温もりに、思わずほころばせた口元をマフラーで隠しながら「あれって?」と訊き返す。
「12時になった瞬間にジャンプすんの」
「は? なんで?」
「年が明けた瞬間、俺達は地上にいませんでした! ってやつ」
「…くだらねぇ〜……」
斎紋の学年トップが聞いて呆れる。
思いっきりひきつった俺の顔を見て、優也がぷうっと頬を膨らませた。
「いーじゃんかっ。ね、やろ?」
「やーだ。一人でやれ」
「そんなの淋しいじゃん!」
「知らねぇよ。ほら、時計見ててやっから」
「………」
携帯のライトを点灯し、正確な時間に合わせてある腕時計を見る。優也がじと目で俺を睨んでいるけど、ここは無視。
神社のほうから、カウントダウンが聞こえてきたので、俺もそれに合わせて5病前からカウントを開始することにした。
「あ、もうすぐだぞ? 5、4、3、2、い…おわ!?」
カウントし終わる前に、急に視界がぐるりと変わった。
「明けましておめでと〜、尚vv」
何が起こったかわからず一瞬呆然としていた俺に、優也が満足気に新年の挨拶をしてきやがった。
「おめでとうじゃねぇよっ! 何すんだ!!」
「何って……お姫様抱っこ?」
「疑問符つけんな! つーか早く降ろせ! 何なんだよ急に!!」
ばたはだともがいても、降ろしてくれる気配はない。代わりにキッと睨みつけても、余裕めいた微笑が返ってくるだけ。
「尚は新年を迎えた瞬間、俺にヒメダッコされてましたv
――なんてどう?」
「………バカじゃねぇの?」
「うん、俺『尚也バカ』だから」
「………」
冷ややかな目で睨み付けると、優也があははと笑って、俺を降ろしながら「ごめんごめん」と謝る。
「今年もよろしくね、なお♪」
額にちゅっと口づけられる。
続いて唇にも。
反射的に閉じていた瞳をゆっくり開くと、そこには俺の大好きな笑顔があった。

ダメだな、俺も。
この笑顔には弱すぎる。

「……うん、…こちらこそ」
俯いて、抱き上げられた拍子に離れてしまった優也の手をそっと握る。優也がますます笑みを深めたのが、揺れる空気でわかった。
優也の指が絡まり、ぎゅっと握り締められる。そのまま抱き寄せられて、俺は抵抗もせず、優也に身体を預けた。
「またいっぱいいちゃいちゃしようねv」
耳元に軽いキスが落ちる。
「…………ん///」
優也の言動に真っ赤になる顔を自覚しながら頷いた。
なんだかんだ言ったって、結局俺も立派な『優也バカ』なのだ。



朱音さまよりいただきました年賀SSですvv
しかも、このお二方は朱音さまの小説キャラクターの優也くんと尚也くんの双子さま!もうこのお2人大好きなのでとっても嬉しいですvvo(≧▽≦)o
ああ〜そしてまた優也くん可愛すぎるほどに可愛くて、拝読しながら顔が緩みっぱなしでした///笑
いつもはちょっと抵抗気味(笑)の尚也くんも今日は少しだけ素直なカンジで…お正月マジックにわたしまで悩殺ですvv

朱音さま、本当に素敵な贈り物をありがとうございましたvv(≧▽≦)
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