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ななななんとやまださまが書かれたカミマイ(幻水)小説を頂戴いたしました!!!
嗚呼〜言ってみるものなのですね…「カミマイが欲しい…」と…vv
もう拝見した瞬間から心臓がズッコンバッコンでした!
この2人の友情多めの愛情が大好きなのです…!(最悦)

やまださま、素敵な小説を本当に有難うござました!!(≧∇≦)
とっても幸せです!
さあ、みなさまもトクとご堪能くださいませvv

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*** 「騎士として」 ***


その日の夜、マイクロトフは悩んでいた。

「オレはこれからもゴルドー様に使えて行くべきなのか」と。
 
これまでも、彼はゴルドーの騎士道とかけ離れた、自分主義の考えに不満を抱いて
いた。

だが、主君の命令は絶対である。何よりも騎士道を重んじるマイクロトフにとって、
それに歯向かうと言う事は絶対に出来ない事であった。

しかし、今日起きた一つの出来事が彼を今、ここまで悩ませているのだ。

〜流民の見殺し〜 勿論、彼は助けに行きたかった。だが、ゴルドーに「これは主君
の命令だ」と言う一言によって、一蹴されてしまった。

〜なぜだ!?民を救うのが、騎士としての勤めではないのか!?〜

そう思い悩んでいる所に、一人の男が現れた。彼の親友であり、赤騎士団長のカミュー
である。

「マイクロトフ、君も今回の件で悩んでいるようだね」

「カミュー、お前もやはり…」

「あぁ、どうやらゴルドー様は騎士では無く、自分の利益しか考える事の出来ない暴君
に成り下がってしまったらしい」

そう告げるカミューの瞳は怒りに満ちていた。

確かに、ゴルドーはもはや騎士ではなく、暴君と化していた。が、それでも主君を裏切る
事は何よりも重い罪である。

二人の間に重い空気が流れる、その流れを断ち切るかのようにカミューが

「気分転換に、久しぶりに勝負をしないか?」と、持ちかけてきた。

少し考えたが、それも悪く無いと思い
「判った、その勝負、引き受けよう」と、返事をした。

 

キィィィィィン……… カシィィィィィン………

訓練場に、二人の剣が交じり合う音が響き渡る。かれこれ、1時間は経過しただろうか。
未だ、勝負は着いていない。

マイクは少し不思議に思った。いつもなら、1時間もしない内にあっさりと負けを認める
カミューが、今日はまだこうして戦っている。

そして、内なる気迫をひしひしと感じていた…。

 

結果は、マイクロトフの負けであった。

カミューが隙を見せた所を一気に突っ込んで行ったのだが、それを絶妙のタイミングで
交わされ剣を飛ばされた。

長時間の戦いで、二人とも息が上がっていたが、そんな中、カミューが口を開いた。


「マイク、君はとても忠実なんだ、それは剣筋にも良く見える。だが、それだけでは
いけないと思う。時には、相手の剣を受け、交わすことも必要だと思う。」

マイクは何とかしてカミューの言葉を理解しようとするが、どうしても判らない。

その様子を見て、カミューは言葉の訂正をする。

「つまり、忠誠を守るだけが騎士のあるべき姿では無いと言う事だ」

「確かに、その通りだ…」
納得したらしく、マイクは2度3度と頷く。

そんなマイクをを見ながら、カミューは言葉を続ける。

「マイク、私は赤騎士団を辞めるつもりだ」

あまりにも急な発言に、マイクは一瞬言葉を失う。

カミューはマイクの目の前に立ち、確りと彼の目を見据え言った。

「私は、あの少年の元へ行こうと思っている。彼ならこのマチルダ、いや、この大陸
を救ってくれる。そんな気がするんだ…」

暫し、カミューの言葉に耳を傾けていたマイクだったが、カミューが話し終えると、
2、3歩、歩み寄り、そっと抱きしめた。

「なっ…マ、マイク…!?」

驚きのあまり、目が点になっているカミューを無視して、マイクは話し始める。

「カミュー、お前がそこまで考えていたなんて…。判った、オレもその少年の元に行く。
そして、この命に代えても、お前を守り抜くと誓う…!」

そう言うと、マイクはカミューに思い切り口付けた。

少し乱暴な口付けに対して、カミューは咄嗟にマイクを押し返してしまう。

「急に何をするんだ!マイク!」

少し怒りの表情が見えるカミューに一言

「な、何って、誓いのキスを…」

「そんな事は判っている!ただ、私にも、心の準備と言う物が……」

言葉を遮った最初は勢いがあったのだが、段々と語尾が弱まり、見ると、
顔も少し赤くなっている。それを見てマイクは一言。

「す、すまなかった…」

と、素直に謝る。

その様子が可笑しくて、カミューはくすりと微笑し。

「それに、命に代えても守りたいと言うのは…私も、同じ事だ……」

そう告げ、マイクに近づき、そっと腰に腕を回し瞳を閉じる。

それに導かれるかのように、マイクもカミューの腰に腕を回し、今度は優しく、しかし
確りと唇を合わせる。

唇を離し、互いに見つめ合う。

「カミュー、愛してる…」

「私もだ、マイク、愛している…」


*** FIN
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